第3週 4/10-16 字をたくさん書く! 転院の準備

10(月)【リハビリ見学・転院へ始動】

朝、病院に問い合わせ
1)主治医の所見を聞きたい 今後の見通し 不整脈について、今後の予防など 
→主治医が超多忙で、結局退院まで直接話す機会がなかった
2)言語聴覚士のリハビリを見学したい→すぐに調整してくれた

病院のSWより連絡
蒲田・麻生・東神奈川、海ちゃんの症状の受け入れは可能
ここから私から病院に連絡を取って情報を集め、希望の病院をSWに伝えることになる。

14:00-14:30 言語リハビリ 見学 
机に言語聴覚士(ST=Speech Therapist) さんと向かい合って会話をする。
「今日は何月何日ですか?」
「お名前は何ですか?」
おお、きちんと答えているではないですか!感動!

病室での面会とはうって変わってこっちのほうはちらりとも見ず。父兄参観されてるような気分なんだろうな。

STさんが私に向かって「いつも奥さまのことは何て呼ばれるんですか?」と聞くので、「なっちゃん、です」と答えたら、もう一人のSTさんが、「ウミツキさん、なっちゃん、って呼んでるんじゃないですか。奈都子さんだからなっちゃん、ですか、って聞いたら、呼んでない、っていうんですよ~」
アラ、カッコつけてたな。 思わず笑ってしまった
海ちゃん、バツ悪そうに照れ笑い。完全に海ちゃんそのものじゃん。

夕方AZさんにSWさんからの報告を伝える
彼女が自信をもって勧めてくれる病院の空きを待つか、早く転院できることを優先するか→彼女も、情報を集めてくれている
夜、海ちゃんのサックス仲間Iさんが連絡をくれた。8年ほど前、やはり脳血管障害でリハビリを受けてプロの現場に復帰した人。経験した人にしかわからない話はとてもありがたく参考になることだらけだった。

リハビリの内容については、正直のところ詳しくはわからないが、言語という、心に直結するところの障害、病院に預けてハイ、直してください、っていうことではないと思う。だから面会はどうしても譲れない(私自身が寂しくて死んでしまう)
そして、楽器が吹けること。私の頭で考えられるのはそのくらいだ

本当は海ちゃんにどういうところに行きたいか、尋ねたいのだけれど、それができない。彼の気持ちを想像して、彼の一番居心地の良いところを探すしかないのだ

病院の一覧表を作って、頭を整理する

11(火)【ノートに名前を書いた!】

14:30 面会 ペンがしっかり持てることが分かったので、ノートとペンを持っていく
名前は?→住所から本人、私の名前、きちんと書ける 今日は何日?→カレンダーを見なくても書ける。時間の認識はしっかりしてる

字なんて、私より綺麗なくらい。
持ってきている電動髭剃りが嫌なようで、うちの戸棚に入ってるのを持ってきてほしい、ってジェスチャー
「もしなければ」って書こうとしているかな。
私が緑のペンで書いたシェーバーの絵が一番ヒドい。猫の肉球か?

病室から、FB で妹とビデオを繋ぐと、楽しそうに手を振っている
言葉を出そうとすると、やっぱり涙出ちゃう、でも頑張ってるな
今は二人で泣きましょう!泣くの、大事だよ

12(水) 【髭剃りが嫌だ!】
午前中 東神奈川・新百合ヶ丘・蒲田に電話で問い合わせ
本日のメッセージ 哲学的ですらある


14:30 面会 3000円入れたお財布を持っていく お札を一枚ずつ、ちゃんと数えてお財布に入れてる。しっかりしてるな。

髭剃りは、戸棚を開けて写真を撮っていたんだけど、目的のものは見つからない様子。 アマゾンを見てもらって、欲しいものを選んだ。なるほど、カタログは有用だね。



13(木)【病院見学 東神奈川リハビリテーション病院】

今日は海ちゃんの面会を休んで、病院見学。(他の病院は、コロナの影響で見学をやっていない。院内の様子はネットで見られるだけ)
唯一、毎日面会ができるこちらに候補を絞って、見学を申し込んだ。夕方、SWと面談。
入口横の面談室で話を聞く。病棟や病室の見学はこちらもストップしている。
今待機が20名。どのベッドが空き、どんな状態の患者を受け入れられるかはその時々で変わるので、いつ入れるか、ということは今の時点ではわからない。個室なら少し早いかも…とのこと。これはどの病院でも同じだ。
サックスの練習は、やるならデイルームというパブリックスペースになるだろう、ただ確約はできないので、面会の時に状況をみながら、とのこと。
面会できない病院だったらどうするんだろう? 部屋を見られないのはやっぱり情報不足になっちゃうなあ。

帰りにノジマでシェーバーを買う。男性の髭剃り、って全くわからない。ウロウロしてたら、体格のいいお姉さんがテキパキ接客してくれた。「ご主人は髭が濃いですか?薄い?じゃあ、パナソニックですね、ブラウンは、ゴワゴワ髭の人向けですよ」 ありがとうございました。勉強になりました。

14(金)【お兄ちゃん、初面会】

12:45 海ちゃんのお兄ちゃんと待ち合わせ

ゆっくり歩いて来たお兄ちゃんは、右膝がかなり痛そう
海ちゃんはこれも心配してたんだろう 家族のこと、本当に心配する人だから。

14:30 面会
部屋に入った瞬間、海ちゃんが泣きくずれた。
迷子の子供がお母さんを見つけたときみたいに。今までには見たことのない表情。
お兄ちゃんのことを心配しているんじゃなくて、心底安心したんだ。
やっぱりお兄ちゃんは海ちゃんのお父さんで、お母さんで、お兄ちゃんなんだ。

まだ二人が10代のころに母親が家を出て、父親は単身赴任、二人きりで暮らしてきた兄弟だ。やっぱり一体なんだな。
いつもとかわりなく競馬新聞を眺める二人の姿を見ていたら、なんだか、とても安心した。

河北と東神奈川のSWに連絡し個室でもOKなので申し込みたいと伝える

15(土)【失語症の一端.... 漢字ならわかる】
一日仕事なので、妹に面会を頼んだ 丁度言語リハビリの時間だったので見学してきてくれた
・妹の名前を書き、読んだ(やった!)
・くだもののカードをならべ、STが読んだものを指さす
これが、全然!できないのだそうだ。もも、りんご、と言われてもカードを前にじ~っと固まっている。ところが、「柿」という漢字を見ると、柿の絵をちゃんと選ぶ。
音は意味に結び付いていないけど、漢字は絵と同じということなのね。ビバ、表意文字。

ってことは、筆談ならぬ、絵談、ならそれなりに必要なことは伝えられるってことよね。
何か、明るい気持ちになった
とにかくみんなで会いながら、しゃべりながら、やっていくしかないのだから

16(日)面会は休み

ぴあにしものライブ、みんなが心配してくれる 調教師のKさんは「レンコンとアスタキサンチンが良い、血管が丈夫になる。うちの馬にも飲ませてる」と、力強過ぎるアドバイス。
和ちゃんの言葉
「海ちゃんが吹けない、なんて可能性はゼロだって思ってる。でも万が一、万が一にもし楽器が吹けなくても、人生には他にだって楽しく生きる道はたくさんある、ってわかってほしい」
薫ちゃんが歌った[Remember Me]を演奏してたら、懸命に言葉を絞り出そうとしている海ちゃんの姿に重なって、さすがに泣けてきちゃった。

しゃべるって、自分が、自分だよ、って語りかけることなんだもんね

夜 youtubeで失語症に関連動画をあれこれと。失語症の概略が見えてきた。
オンラインリハビリ・失語症会話パートナー、言語くん、いろんな方策もあるんだ。
インターネットって、ホントにありがたいな。
失語症関連の本も医学書からイラストブックまで硬軟取り混ぜて注文。
失語症君とは長い付き合いになるんだもの、相手のこと、知っておきたいじゃない?


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