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毎週外泊が許可になった

6月15日、初めての外泊の後、毎週、一泊の外泊の許可が降りた。イヤッホ〜〜イ! 帰ってくる度、言葉が増え、通じることが増えてくる。 間違いなく、回復しているって思える幸せ。 6/7 の面談でも、7月から8月頃に退院できるとの見通しが主治医から出た。 入院当初、「高次機能障害もあるので最長180日の入院」と言われ、心が折れちゃうんじゃないかと心配したことを思うと夢のようだ。 「リハビリ頑張ってますからね」と主治医の先生が言ってくれた。うれしい。ほんと、頑張ったよね。 家では、今まで時間制限で喋れなかったことを、一生懸命に話してくれる。 ほとんどの患者さんが体の障害を持っている中、見かけでは病人には見えない海ちゃん。「なんでここにいるの?」と聞かれ、やっとの思いで「喋れないんです」と答えたこと リハビリのチーフが研修の学生さんを連れてきて、彼らにジャズを始めた頃の話をしたこと。(すごい!聞きたかった!)「選んだ道なんだからがんばりなさい、って言った」って。 私、いままでこんなに一生懸命に彼の話に耳を傾けてきたかなあ。 もったいないことをした。 少し不安なのは、コロナの影響でリハビリの見学がほとんどできないでここまできてしまったので、退院できる回復のレベルとはどういうものなのか、まだ漠然としている。 でも彼と生きていくのは私達だから、一緒に日々の暮らしができるならそれで十分。それから先は、できることをやりながら一歩ずつ進んでいけばいいや、って思う 目標は「目標を立てないこと」!その時の状態を起点にして、明るい方へ歩くこと 散歩をして、音楽を聞いて、ご飯を食べて、二人でいる時間がこんなに楽しいんだ!って思った。

6/15 初めての外泊 & テナーサックスを吹く!

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 3/27に入院して以来、初めてお家に帰ってきました! コロナの影響もあり、なかなか許可の下りなかった外泊訓練が再開。 運動機能に障害のある人は、自宅をどのようにリフォームする必要があるか、確認のためにも大事なのです。 幸い、海ちゃんの運動機能はFIMという評価で満点。リハビリを頑張ったもんね。 本当にありがたい。 病院の皆さんに「楽しんできてくださ~い」と送り出されました。遠足に行くみたいだね 車に乗って、ちょっと雨模様の外の景色を眺めながら何度も何度も深呼吸。娑婆の空気! 1年前にごく軽いトマトのアレルギーがあることがわかって、今回の入院でも大事を取ってトマト抜きにしてもらったら、食事が味気なくて寂しいそう。 もう大丈夫だと思う、ということで、ご飯のリクエストは大好きな「ラタトゥイユ」 そうだ、二人の会話、字幕に起こしてみようよ、ということでVrewで読み込んでみた 奈都子「何が食べたいですか?」 豊「ラタトゥイユが食べたいです」 ⇒⇒⇒     字幕「クワガタと魚が食べたいです」(熊かっ!)  二人で爆笑 頑張れ ! AI ! 病院にはアルトを持っていっているけど(大きさとか、音量とか、気遣ってるの。ホントに優しい)やっぱり吹きなれたテナーが吹きたい!というので、ご飯の前に、二人でセッション。 最初は吹けるかな..と少し不安そうだったけど.. 最高だ!全部、ちゃんと海ちゃんの中に残ってるね。   音楽、ありがとう! ラタトゥイユ食べながら、たくさん話をした。 マスク、アクリル板、15分という制限から自由になっておしゃべり。笑いあり、涙あり。 リハビリはとっても頑張っているけど、やっぱり言葉がわからないこともたくさんあって、毎晩、寝る前になると「どうしてこうなっちゃったんだろう」って思って涙が出るって。 こればかりはどうしてあげることもできない。本当に切ない。私も泣くしかない。 でも、ゆっくりお風呂に浸かって、いろんな人の応援メッセージを見て、とってもリラックスしたみたい。 翌朝の散歩では本当に久しぶりの、晴れやかな笑顔が見られました。 しんどいリハビリだけど、やった分だけ、確実に回復してきてる。 楽しい時間でリフレッシュしながら、もう少し頑張ろうね!

海ちゃんに起こったこと・脳梗塞と失語症

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3月27日の夕刻、ライブのさなかに、夫・海ちゃんは脳梗塞を発症しました 脳梗塞・左中大脳動脈閉塞症 幸いにも、体の麻痺はほとんど残らず、人や状況の認識も、周りを気遣うやさしさも、彼のままです。 ただ、言語をつかさどる場所が梗塞を起こし、後遺症として失語症が残りました 言葉が自分の中から無くなってしまう 想像もつかない世界に、今彼は生きています 自分の生きている世界とのギャップに私自身も心が揺れ動きます 心配してくださる皆様に、どれだけ助けられたかわかりません。心から感謝しています。 お気遣いのメッセージを頂きながら、お返事できないことも多いので、今の状況を知っていただきたく、 ニューオリンズ・最後の夜 起こったこと、感じたことを書き留めることにしました その時の気持ちのまま書いているので読みづらいところもあると思いますがご容赦ください お読みいただいて、思うこと、アドバイスなど頂けたらとてもありがたいです 「辛い日々も大切にしなさい。楽しい日々と同じように、それもまた二度と還らない」 この言葉をかみしめ、大切に毎日を刻みたいと思います 2023.5.7  古川奈都子

6/3 アルトサックスを吹く 音色って、どこに記憶されているんだろう

  転院してからデジタルサックスを吹き始めていましたが、 療法士さんが本物の楽器を吹けるところを探してくれました。 アルトサックスを吹いている姿 シンプルなメロディーだけど、音色も、ちょっとした音の「訛り」も、 変わっていません 音色って、どこに記憶されているんだろう?脳の不思議に驚かされることばかり 言葉が思い出せないと「もどかしい」「しんどい」「くやしい」といった、 気持ちを言葉にすることで外に出して、スッキリする、ということも難しい だから、心の中に渦巻くモヤモヤを外に出してくれるもの、 涙だったり、音楽だったり、そういうものがとても貴重なんだと思います。 そばにいても本人がモヤモヤをじっと飲み込んでいる姿を見ているしかない中、 こうして音を出している姿を見ると、本当にほっとして、ありがたいな、って思います