「君が僕の息子について教えてくれたこと」 脳の奇跡を改めて見直す珠玉のドキュメンタリー
2014年に放送された「君が僕の息子について教えてくれたこと」 が「時をかけるテレビ」で放映された。
最初に見たときも心が揺さぶられたけど、今の海ちゃんと一緒に見ると、また新たな感動をたくさん発見した。
今日から1週間見られるので、ぜひ!
https://www.web.nhk/tv/an/tokikaketv/pl/series-tep-WQGK99QWJZ/ep/QP4Y2LRM4N
「日本の自閉症の若者、東田直樹さんの書いたエッセーが20か国以上で翻訳されベストセラーとなった。英訳したのは、自身も自閉症の息子がいる英国の作家、D.ミッチェル氏。息子への接し方のヒントを本の中に見つけたと言う。同じ悩みを抱える人々に希望を与えた本の作者、東田さんの日々に密着したドキュメンタリー(初回放送:2014年)
自閉症ながら、紙に書いたアルファベットの変換キーボードを指でなぞりながら、豊かな、嘘も無駄もない言葉を絞り出すように紡いでいく東田さん。
「できの悪いロボットを操縦しているような気持ち」
頭の中には浮かんでいる気持ち、それを伝える言葉が、どこかでブロックされてしまって伝えるのにとても時間がかかる。喋るときも、抑揚、リズムとも日本語の特徴である平板さからは遠いので、彼のリズムに慣れないと、聞き取るのが難しい。
東田さんは脳の検査を受け、言葉の表出を司る「ブローカー野」と、理解を司る「ウェルニッケ野」のつながりに問題があることがわかった。
(海ちゃんの失語症は「ブローカー野」の損傷からくるもので、喋るときに言葉を探し当てられない、言葉が浮かんでも、音の順番が間違ってしまったりするところは共通するところがある)
でも彼が脳のエネルギーすべてを使って紡ぎ出す言葉は愛に満ちた宝箱のよう。
「僕のために誰も犠牲になっていないと子供時代の僕に思わせてくれたのが、僕の家族のすごいところです」
「そばにいてくれる人は どうか僕達のことで悩まないでください」
「自分がつらいのは我慢できます」
「しかし 自分がいることで周りを不幸にしていることには 僕達は耐えられないのです」
自閉症である気持ちを言語にできる彼のお陰で、自閉症の子供を持つ親御さんたちが、子供の気持ちを汲み取れるきっかけを掴み、救われ、愛すること、愛されていることを思い出す。
施設で暮らす自閉症の息子が、帰宅したときに両親の結婚式の写真にずっと口づけしている。
世界で一番美しい風景が生まれていた。
東田さんは、紙キーボードをなぞりながら一文字ずつ喋っていき、最後に「終わり!」と叫ぶように言う。
失語症の海ちゃんから日々感じる、切ない、悲しい、もどかしい、という気持ち。
最初に見たときも心が揺さぶられたけど、今の海ちゃんと一緒に見ると、また新たな感動をたくさん発見した。
今日から1週間見られるので、ぜひ!
https://www.web.nhk/tv/an/tokikaketv/pl/series-tep-WQGK99QWJZ/ep/QP4Y2LRM4N
「日本の自閉症の若者、東田直樹さんの書いたエッセーが20か国以上で翻訳されベストセラーとなった。英訳したのは、自身も自閉症の息子がいる英国の作家、D.ミッチェル氏。息子への接し方のヒントを本の中に見つけたと言う。同じ悩みを抱える人々に希望を与えた本の作者、東田さんの日々に密着したドキュメンタリー(初回放送:2014年)
自閉症ながら、紙に書いたアルファベットの変換キーボードを指でなぞりながら、豊かな、嘘も無駄もない言葉を絞り出すように紡いでいく東田さん。
「できの悪いロボットを操縦しているような気持ち」
頭の中には浮かんでいる気持ち、それを伝える言葉が、どこかでブロックされてしまって伝えるのにとても時間がかかる。喋るときも、抑揚、リズムとも日本語の特徴である平板さからは遠いので、彼のリズムに慣れないと、聞き取るのが難しい。
東田さんは脳の検査を受け、言葉の表出を司る「ブローカー野」と、理解を司る「ウェルニッケ野」のつながりに問題があることがわかった。
(海ちゃんの失語症は「ブローカー野」の損傷からくるもので、喋るときに言葉を探し当てられない、言葉が浮かんでも、音の順番が間違ってしまったりするところは共通するところがある)
でも彼が脳のエネルギーすべてを使って紡ぎ出す言葉は愛に満ちた宝箱のよう。
「僕のために誰も犠牲になっていないと子供時代の僕に思わせてくれたのが、僕の家族のすごいところです」
「そばにいてくれる人は どうか僕達のことで悩まないでください」
「自分がつらいのは我慢できます」
「しかし 自分がいることで周りを不幸にしていることには 僕達は耐えられないのです」
自閉症である気持ちを言語にできる彼のお陰で、自閉症の子供を持つ親御さんたちが、子供の気持ちを汲み取れるきっかけを掴み、救われ、愛すること、愛されていることを思い出す。
施設で暮らす自閉症の息子が、帰宅したときに両親の結婚式の写真にずっと口づけしている。
世界で一番美しい風景が生まれていた。
東田さんは、紙キーボードをなぞりながら一文字ずつ喋っていき、最後に「終わり!」と叫ぶように言う。
海ちゃんを見ていて、表出のルートに問題があると、表出する、(喋ったり、書いたりする)ことにものすごい脳のエネルギーを使う、というのがわかる。10行ほどの日記を、はじめの頃は1時間以上かかって書いていた。最後はいつも「明日もいい1日でお願いします。よろしく!」大仕事のあと、ほっと一息つくのに決めゼリフがあるのは東田さんと同じなのね。
失語症の海ちゃんから日々感じる、切ない、悲しい、もどかしい、という気持ち。
同じ気持ちを感じるのと同時に、その気持自体がふくよかで、愛おしいものだということに気づく。
障害、という乱暴な言葉で括られてしまいがちな、個性豊かな脳。
障害、という乱暴な言葉で括られてしまいがちな、個性豊かな脳。
見つめるほど、自分を表現するためにあの手この手を探るアイディアと粘り強さに驚かされ、逆に扱いがめんどうくさい、という理由で括ってしまうことの貧しさに、油断するとそうなってしまう自分に、警鐘を鳴らす。
東田さんが開いてくれた、言葉の窓に、心の溶ける一本です。
東田さんが開いてくれた、言葉の窓に、心の溶ける一本です。
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